人間の身体は、たくさんの筋肉と骨で構成されています。成人の場合、自分の意思で動かせる骨格筋(随意筋)は、数え方によって違いはありますが、約400〜600個あるとされています。そして、骨の数は通常206個です。
これだけの数の筋肉と骨が、日々、私たちの活動を支えてくれていることは、驚異と感嘆に値します。しかし、それらすべてが常にパーフェクトな状態で機能しているかというと、そうではありません。時として身体に歪みや過度な負担が生じることは、想像に難くありません。その結果、動きが悪くなったり、張りや痛みといった症状が現れたりすることがあります。
首が痛い、肩が凝る、手首が痛い、背中が張る、膝が痛いなど、不調にはさまざまな症状があります。ここで考えていただきたいのは、それらの症状が、必ずしもその部位だけの問題によって起こるわけではないということです。他の部位との「つながり」や「連動性」が関係しているケースも少なくありません。
例えば、胸の筋肉が縮んで硬くなることで肩に負担がかかり、肩こりが発生する。その影響で肩と首のバランスが崩れ、背中が丸くなり、結果として腰にも負担がかかる。身体には、そんな連鎖が起こることがあります。
人間の身体は常に重力の影響を受けています。姿勢や身体の使い方によっては、関節の一部に負担が集中し、動きが制限されることもあります。さらに、姿勢が悪くなっていたり、本来は全身が連動して動くべき場面で、特定の部位だけに負荷が集中するような動作を繰り返したりすることで、痛みや不調につながる場合もあります。私たちは、そんなリスクと常に隣り合わせにいるのではないでしょうか。
そこで、皆さんにお伝えしたいのは、普段から自分の身体を意識してほしいということです。今回のメインテーマは、「全身を見よ」、そして「全身を意識せよ」です。
ヤムナメソッドには、身体のさまざまな部位にアプローチするためのワークが用意されていますが、その根幹にあるのは、身体全体の健やかな状態を持続させる「ボディサステナビリティ」という考え方です。その実現に向けて、「全身を見よ」「全身を意識せよ」を具体的にどう実践すればよいのか、3つのポイントをアドバイスします。
① 全身の姿勢や各部位のつながりを捉え、不調が現れている部位だけでなく、他の部位からの影響や根本的な原因にも目を向ける。
② 上半身は上に引き上げ、下半身は下に伸ばすことを意識する。
③ 身体の前後左右のバランスにも意識を向ける。
- 上半身は前方や左右どちらかに傾いたり、ねじれが生じたりしやすいことを意識して観察する。
- 背中側に緊張があるときは、身体の前側や側面の筋肉が硬くなり引っ張っている可能性も考える。
- 脚から床に適切な力を伝えられないと、十分な床反力を得られず、上半身を安定して支えることが難しくなる。
以上の①〜③を意識しながら、ヤムナメソッドの中から自分のコンディションに合った効果的なワークを選び、ぜひ実践してみてください。

