前回<お悩みに効くメソッド#7>で、緊張性頭痛、眼精疲労への対処法として、顔のワークを解説しました。今回は、それら症状に関連したものとして、首の前側のワークを紹介します。前回も触れたように、現代人が抱える問題としてスマホなどの使用による姿勢の悪さがあります。それが習慣化することで、身体に様々なトラブルを引き起こします。その一つが、首の形状の変化です。
首の形を横から見ると、正常な首は頸椎(首の骨)が緩やかなカーブを描いていて、中央部が前方へ湾曲しています。ところが、スマホなどの長時間使用により、うつむく姿勢や顎が前に突き出るような姿勢になり、首の後ろ側や肩の筋肉のこりや硬直を起こし、頸椎のカーブが無くなり真っすぐになってしまうことがあります。この症状がストレートネックです。現在では、「スマホ首」という呼び名の方がポピュラーになっていて、現代病とも言えるのではないでしょうか。
人間の頭の重さは、約4~6kgと言われています。頸椎が前弯しているおかげで、頭の重さは分散され、衝撃吸収をしてクッションの役割をします。しかし、前かがみの姿勢、下を向くという動作をすると、頸椎は前弯が少なくなり、真っすぐな形状になります。それは、首に大きな負担をかけます。例えば、頭を15度前に傾けると、首には約12kgの負荷がかかると考えられます。うつむく角度によって、負担の大きさが変わっていきます。
スマホ首になると、首周辺の筋肉の凝りや硬直を起こしやすくなります。筋肉部位としては、首の左右両側にある大きな筋肉である胸鎖乳突筋、首の左右それぞれの前外側に付く斜角筋です。これらの筋肉が凝り固まると、首や肩の凝り、頭痛、手の痺れ、自律神経の乱れによるめまいなど、身体への様々な影響が発生します。
お薦めのメソッドは、ボールを使った首のワークです。胸鎖乳突筋と斜角筋に働きかけます。首のワークの大きな目的としては、胸と首を引き上げることにあります。筋肉を緩め、血行を促進することにより、不調を軽減すると同時に、頸椎をカーブのある正しい形状に戻す効果が期待できます。ぜひ試してみてください。
ボールを使った首のワーク

1. ボールはパールボール使用を推奨します。身体の中央、胸骨と鎖骨のつなぎ目(胸鎖関節)のくぼみにボールを置き、圧を少しかける。
2. 顔を右に向けて、左側の胸鎖関節のくぼみにボールを置き、首の左側をストレッチさせる。
3. ボールに手を添えて、左耳の後ろの出っ張り(乳様突起)に向かって、皮膚と筋肉を引っ張る。両手でボールの動きを調整して、乳様突起に向かって移動させていく。(この時、顎を引き、首の後ろ側を伸ばすようにして行うのがポイント。)
4. 同じ動作を、右側でも行う。
※「首のワーク」は、YBR(ヤムナボディローリング)の1パートです。メソッドをマスターするために、Yamuna Studioのレッスンで、プラクティショナーから直接指導を受けてみることをお勧めします。