――ランニング人口が増加し、マラソン大会も多く開催されます。毎日欠かさずランニングをする愛好家も少なくないと思います。そんな人たちに向けて、まずは基本的なアドバイスをお願いします。
鈴木:ランニングを楽しむ人が増えるのは良いことだと思いますが、正しい知識で自分の身体をケアしてほしいですね。心配になることは、いろいろあります。最初に意識しておかなければいけないことは、アスファルトなどの固い地面の上を走っているという現実です。スムーズな着地をして走っているつもりでも、身体にはとても大きい衝撃を受けています。
――具体的には、身体のどの部分に負担がかかるのでしょうか?
鈴木:身体全体で衝撃を吸収しようとするので、足首、膝、腰などにも負担がかかりますが、最も大きな負担がかかるのはスネの骨です。その影響により、本来、骨にはしなやかな「しなり」が必要なのですが、そのしなやかさがなくなり固くなり過ぎてしまうことがあります。それが進むと、脛骨(スネの太い骨)の下部1/3あたりに痛みが発生する「シンスプリント」の症状が出たりします。ランナーに多いスポーツ障害です。最初は運動後に痛みが出ますが、重い場合、運動中や日常でも痛みが出てしまいます。
――多少の痛みは我慢して走り続けてしまう人もいそうですね?
鈴木:大会に出るために無理をして、最終的に疲労骨折をしてしまう事例も耳にすることがあります。そうならないためにも、普段から、ボールを使ったスネのワークをすることをお勧めします。スネにかかった負担を取り除くことができます。このワークをすることで、骨の良いコンディション「固さもあり、しなやかさもある」状態に整えることができます。
――骨に直接アプローチするワークですね。負荷や疲労を取り除くだけでなく、いろいろ効果が期待できそうですね。
鈴木:スネの骨の各部を直接刺激することで、骨の代謝を促します。ヤムナのメソッドは、適度な硬さのボールを使うことで、安全に行うことができます。ボールは、ゴールドボールやパールボールなど大きめのボールでも問題ありません。ブラックボールを使うと、より狭いターゲットを狙ってアプローチすることが可能です。正しい動きを覚えて、ぜひ実践して見てください。