山フェスの草分け「涸沢フェスティバル」が、9月5日から8日までの3日間、6年ぶりに開催。涸沢会場、横尾会場、徳沢会場の3ヶ所で、様々なプログラムが組まれました。「ヤムナ・ボディメンテナンス講座」は、横尾会場、徳沢会場において、下記内容で実施されました。
●9/5(木)
15:30〜16:15
<Save your Hip, Knee, & Ankle>
股関節、膝、足首のセルフケア。脚に蓄積した負担を取り除く!
20:10〜20:40
<Calm Down your Spine>
背骨の両側をヤムナボールで整え自律神経にアプローチ。良質な睡眠が得られます!
●9/6(金)
7:00〜7:30
<Wake Up your Feet>
足裏を目覚めさせて、楽で安定した歩行の準備。登山の前に足を満遍なく刺激して、快適な歩行を!
16:30〜17:15
<Save your Hip, Knee, & Ankle>
股関節、膝、足首のセルフケア。疲労した脚の筋肉と関節に、ヤムナボールを使ってアイロンがけするようにストレッチします!
20:15〜20:45
<Calm Down your Spine>
背骨の両側をヤムナボールで整え自律神経にアプローチ。良質な睡眠が得られます!
※会場:横尾山荘大広間
●9/7(土)
8:00~8:50
<ヤムナ・ボディローリング・ベーシック>
ヤムナボールで全身の筋肉と骨を整えて、セルフメンテナンス! 上高地・徳沢の大自然に囲まれながら屋外で行なう、スペシャルクラスです。
※会場:徳沢キャンプ場
――実際、フェスに参加してみて、いかがでしたか?
鈴木:初めて参加させていただきましたが、年齢も幅広く、山登りを愛する人たちが、皆さん生き生きと嬉しそうな表情をされているのが印象的でした。天気にも恵まれ、私自身も山の自然に触れられてとても楽しかったです。
――朝、午後、夜と、違うメソッドメニューを行ったわけですが、その意図は?
鈴木:山歩きする人のために「出発前のケア」、「歩いた後のケア」、「睡眠前のケア」を意識した内容になっています。登山する人たちの状態はイメージしていた通りだったので、良い内容だと思います。それぞれの方が、自分なりのコンディショニングをしているようですが、例えば朝について言えば、山小屋では、起床後すぐに食事をして、そのまま出発する人もいるようです。今回の講座のメソッドを参考にして、身体の調整をしてから歩くようにしてもらえると良いのですが。
――夕方、そして夜の講座については、どんな反応がありましたか?
鈴木:一日山歩きをした後、夕方の「股関節、膝、足首のケア」の講座を受けた方の反応はとても大きかったです。ボールを使って、こんなにも効果的なストレッチができるとは思っていなかった人がほとんどなので、皆さん、ヤムナメソッドにかなり興味を持ったようです。そして、夜の背骨のワークについては、翌朝、「おかげで爆睡しました。本当に心地良いものですね」という声をかけていただいたりもしました。
――設定されていた講座以外にも、活動されたそうですが?
鈴木:横尾山荘前に、リカバリーセンターがあるのですが、そこで、午前と午後1時間半ずつ、腰、膝に疲労が出ている人のケアをしました。相当ツラそうにしていた人が、「おかげで身体が軽くなりました」と言って、笑顔になって歩いていく姿を見て、役に立てて良かったと思いました
――現場で山歩きをしている人たちを見て、何か気になったことはありますか?
鈴木:荷物が重いことも関係はしているとは思いますが、背骨が丸まって関節がつぶれて詰まった状態で歩いている人を度々見かけて、とても気になりました。足があまり上がっていない人も多かったです。
――そうですか。山歩き、簡単ではないということですね。では、先日のフェス告知記事で鈴木さんに解説していただいた「登山での歩行について」のアドバイスを、繰り返しにはなりますが、もう一度、下記に紹介しておきます。お疲れさまでした!
<登山での歩行について>
――そもそも、登山での歩き方というのは、通常の歩き方とは違ったものになるのでしょうか?
鈴木:登山での歩行は、気をつけなければいけないことがいろいろあります。基本的なポイントしては、次の2点を意識して歩いてもらえると良いと思います。
①股関節を上手に動かして歩くようにする。
②足裏のすべてのパーツを使う。
――なぜ、そのような意識が必要なのですか?
鈴木:①については、股関節を上手く使うことで大きい筋肉を使えるからです。大きい筋肉を使えば効率の良い動きになり、膝を傷めることを防ぐことができます。山登りでの歩行は、平らな場所が少なく、凹凸があったり、坂道があったりと不安定な足場が多くなります。そうすると、どうしても足首、膝でバランスをとり、股関節の動きが小さくなりがちです。
②に関しても同様の理由で、足場が悪い所を歩いていると、足裏のパーツの使い方が偏って身体全体のバランスも崩れがちになり、どこかに故障を生じやすくなってしまいます。
――登りと下りでは、歩き方も変わると思うのですが?
鈴木:おっしゃる通りです。下りの歩き方については、着地による衝撃があるため、より足裏への意識を高めてもらいたいです。平地の歩き方で正しいと考えられている接地の順番「踵→足の外側→小指→順番に親指側へ」とは使い方が異なるため、膝と腰を傷めやすいです。下りは、ほとんどつま先で接地するので、指の付け根と指先の安定感が重要になりますので、より意識を高めてもらいたいです。また、膝が前に出過ぎる人や、内側にねじれる人も気をつけたいです。