――今回は仙骨にフォーカスするということですが、身体の中心に位置していて、とても重要な骨であることは想像できます。どんな役割を担っているのでしょうか?
鈴木:仙骨は、背骨の一番下にある逆三角形の骨で、左右の骨盤を後ろ側でつないでいます。近くには太い血管が集まり、骨盤内の内臓や神経、副交感神経などが通っている場所でもあります。上半身の体重を支え、下半身からの衝撃を吸収する役割を担っています。また、背骨の位置を整えると同時に、股関節の動きの起点にもなっていて、二足歩行のために必要不可欠な最重要パーツと言えます。
――それだけ重要な働きをしているということは、かなりストレスや負担もかかっていそうですね。
鈴木:歩く、座るなど、身体を動かす時に、常にバランスをとる役割をしているので、相当な負荷がかかっているはずです。それぞれの人は、歩き方、座り方に少なからず癖を持っているので、仙骨が歪んだ状態になっていることも多いかと思います。
――対処法としてのワークを教えてください。
鈴木:ボールで刺激を与えることで、仙骨を本来の正しい位置に整えましょう。そうすることで、背骨全体の引き上げに繋がり、姿勢も調整されます。また、仙骨は大臀筋の付着部でもあるため、股関節も正しい動きに改善されます。血行促進、自律神経のバランス調整などにも効果が期待できます。メソッドを紹介します。
<仙骨を刺激して、腰と股関節を解放するメソッド>
●使用するボールは、パールボールを推奨します。
●おしりの左右の出っ張った骨(座骨)を確認してから、右側の座骨の下にボールを置き乗ります。軽く膝を曲げ、骨盤を立てて座りましょう。
●左手の指で尾骨の位置を確認し、先端から指3本分上がった仙骨の下部にボールが当たるようにします。ボールの位置は、中心からわずかに右側の場所です。ここがスタート位置です。両手と両脚で身体を支えた姿勢になります。
●息を大きく吸ってから、息を吐きながらボールに沈み込むようなイメージで圧をかけます。この動きを2〜3回行います。
●次に骨盤を前方に下ろしていき、仙骨中部にボールが当たるようにします。この位置で、同じように大きな呼吸を2〜3回行います。
●骨盤をさらに前方に下ろしていき、仙骨上部にボールが当たるようにします。この位置でも、先ほどと同じように大きな呼吸を2〜3回行います。
●仙骨上部が終わったら、再び最初の仙骨下部に戻り、一連の同じ動作を行います。下部→中部→上部のワークを合計3回行います。全体として仙骨を上に引き上げていくような動きになります。
仙骨を刺激して、腰と股関節を解放するメソッド


