――これまでの<骨にアプローチ、その効果>の記事で、ヤムナメソッドによって骨に直接アプローチすることが、様々な効果に繋がることを理解しました。今回は、そのテーマの中でも、特に大きな注目が集まっている話題を教えていただけるということですが?
鈴木:医療の世界でも、とても注目度が高い内容です。その物質の名称はオステオカロシン。タンパク質の一種です。<骨にアプローチ、その効果#2>で「骨の代謝」のメカニズムを説明しましたが、そこで登場した骨を作る「骨芽(こつが)細胞」からのみ分泌される物質なのです。
――以前、アンチエイジングについてのドキュメンタリー番組を観ている時に、「若返り物質」として紹介されていて、その働きについて、かなりインパクトがあったので、強く印象に残っています。
鈴木:オステオカロシンは骨を作る材料の一部なのですが、同時にホルモンのような働きをするところが、大きな注目を集める理由です。下記のような内容で、我々の健康に作用していることが、近年の研究によって分かってきています。
●膵臓に働きかけインスリンの分泌を促進させ、血糖値を安定させる。結果的に、糖尿病や肥満のリスク低減に繋がると考えられる。
●神経細胞の結合を維持させて脳に働きかけ、認知、記憶機能の改善に効果があることが発見された。うつ病、認知症などの予防にもなりうる。
●男性ホルモンの分泌を増加させる。結果、生殖能力を高める効果が期待できる。
――これだけの働きがある物質が骨から分泌されることは、意外であり驚きです。しかも骨を刺激することが、結果的に内科的な機能にまで繋がることはイメージしていなかったので、とても興味深いです。
鈴木:骨も臓器の一種であるという認識を持った方が良いと思います。骨に直接アプローチすることが健康に繋がるという現実。それは、より広範囲の要素から成立していることが理解できたと思います。期待できる効果を理解しながらメソッドに取り組めば心の持ち方も変わりますよね。皆さんも、ヤムナメソッドで骨に直接アプローチすることでより健康な身体を手に入れて、ボディサステナビリティ(身体の持続可能性)を追求していただければと思います。