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25.06.25

<活動的なアナタに役立つメソッド#5> スイミング好きな人に実践してほしいメソッド。

肩こりや腰痛の改善、健康維持のためにスイミングを行う人も多いかと思います。水の中では浮力が働くので、身体には良いことばかりというイメージですが、注意しなければいけないこともあるようです。ヤムナ資格トレーニングティーチャー鈴木智さんが解説します。
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text_Ken Ishida

――もちろん競技スポーツとしてのスイミングを楽しむ人もいますが、スイミングは、膝や腰などを傷めた時にリハビリ的なアプローチでも行う運動というイメージもあります。身体には良いことずくめの運動という捉え方をしていますが、何か注意しなければいけないことがありますか?

鈴木:確かにスイミングは、身体を傷める可能性が低い運動です。理由は、陸上の運動と比較すると、水の中では抵抗があり急激な動きが起こりにくく、その部分での体への負担が少ないからです。しかし、泳ぎ過ぎには気をつけるべきです。上半身、特に肩を傷める可能性があります。

――最近はスイマーズショルダーという言葉も登場しているようですね。

鈴木:水泳運動で発生する肩の痛みに対して使われるワードです。スイマーズショルダーの主な原因は次の2つです。
●肩の酷使
●肩甲骨の動作異常
それぞれ、具体的に発生する状況と症状を説明します。

「肩の酷使」
肩の使い過ぎ(回し過ぎ)によって、周囲の筋肉や腱が炎症を起こします。そのことによって痛みが引き起こされると考えられます。水泳では肩の高さより腕を上げて繰り返しストロークするため、関節への負担が高いことも原因のひとつです。

「肩甲骨の動作異常」
肩の土台である肩甲骨は、通常の関節と異なり、筋肉の結合のみで肋骨の後方に張り付いています。肩を動かす時は腕だけでなく、必ず肩甲骨の回旋や内転、外転といった運動が伴います。周囲の筋肉が疲労して硬くなると、まずこの肩甲骨がスムーズに動かなくなります。この様な状態で腕を上げると、無理に肩甲骨を挙上(すくめる動作)させるなどの代償運動が起こり、肩の痛みに繋がっていきます。

――では、どのように対処すれば良いですか?

鈴木:肋骨、肩甲骨、上腕骨(腕の骨)の連動性を高める必要があります。そのためには、脇の下にある胸と背中の筋肉、主には大胸筋や広背筋を肋骨から引き剥がすようにワークことが重要です。ヤムナメソッドの中では、サイドラインのワークを行うと効果が期待できます。ぜひ実践してみてください。

サイドラインのワーク

① 身体を横向きの体勢にして肘を曲げて頭を支える。肋骨の一番下から手のひら1個分上の場所にボールを当てる。肋骨の下部には当てないこと。
② 大きく息を吸って肋骨を広げた後、ゆっくり吐きながら身体をボールに沈み込ませる。この呼吸に合わせた動きを5回行う。
③ ボールを脇の下の手前に移動する。この場所でも②と同じ動きを行う。

④ ボールを脇の下に移動する。頭を支えていた手を外し、まっすぐ伸ばす。身体を前に少し傾かせ、大胸筋を肋骨から引き剥がす。次に、身体を後ろに少し傾かせて広背筋と肩甲骨を後方に押し込んでいく。一連の動きを行ったら反対側のサイドも行う。